フリースタイル出産
「フリースタイル出産」とは、分娩台で決まった姿勢(仰向けの体位)をとらなくてよい、自由な姿勢でのお産のことです。
立ったり、しゃがんだり、横向きになったり、四つん這いになったり・・・
とにかく自由です!お母さんの望むスタイル、一番楽だと感じる姿勢でお産ができます。
当院では平成16年後半からフリースタイル出産に取り組んでおります。平成19年からは陣痛室の一角を“畳ゾーン”に改良し、希望される方は畳の上にお布団を敷いて、そこで自由な姿勢でお産に臨んでもらっています。もちろん旦那様やお子さま達も家族みんなで出産に立ち会って、お誕生の瞬間を一緒に過ごしていただけます。さらに平成23年の春からは新しい2部屋の和室が完成し、より一層快適にお産に臨めるようになり、当院で出産される方のほとんどが畳のお部屋でのフリースタイル出産に臨まれています。
フリースタイル出産のいろいろ
横向き
産婦さんにとって一番楽な姿勢です。
赤ちゃんが生まれるときは、ご主人orナースが産婦さんの片足を支えます。
体を少し丸めて、自分で膝を抱えてもOK。
四つん這い
腰や股関節が痛い産婦さんにとって楽な姿勢です。
胸の下にクッションを置いて寄りかかってもOK.
しゃがみ(座位)
トイレの便座に座るような感じなので、いきむ方向(力を入れる方向)がわかりやすい姿勢です。重力の助けを借りて赤ちゃんが降りてきやすいので、出産にかかる時間が短縮されます。
立位
重力を一番有効に利用できる姿勢です。
立つことで赤ちゃんが降りてきやすくなり、お産がグン!と進みやすくなります。
フリースタイルだとパパも活躍できるよ!
“フリースタイル”ですからもちろん仰向けの姿勢だってアリです。楽な
出産スタイルはその人によって違うので、私たちは産婦さんと一緒になって一番楽な姿勢を見つけていけるようお手伝いさせてもらってます。
皆さんもフリースタイルでより自由なお産を!
母乳育児支援
<当院では
「WHO/UNICEF 母乳育児成功のための10か条」に基づいた母乳育児支援を行っています>
「WHO/UNICEF 母乳育児成功のための10か条」とは?
1.母乳育児の方針を全ての医療に関わっている人に、常に知らせること
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2.全ての医療従事者に母乳育児をするために必要な知識と技術を教えること
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3.全ての妊婦に母乳育児の良い点とその方法をよく知らせること
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4.母親が分娩後、30分以内に母乳を飲ませられるように援助すること
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5.母親に授乳の指導を十分にし、もし赤ちゃんから離れることがあっても母乳の分泌を
維持する方法を教えること
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6.医学的な必要がないのに母乳以外のもの、水分、糖水、人工乳を与えないこと
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7.母子同室にする。赤ちゃんと母親が一日中24時間、一緒にいられるようにすること
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8.赤ちゃんが欲しがるときに、欲しがるままの授乳を進めること
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9.母乳を飲んでいる赤ちゃんにゴムの乳首やおしゃぶりを与えないこと
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10.母乳育児のための支援グループを作りを援助し、退院する母親に、
このようなグループを紹介すること
母子同室とは?
母子同室とは文字通りお母さんと赤ちゃんが入院中同じお部屋で一緒に過ごすことを言います。当院ではお産後当日より母子同室を実施しています。
母子同室の良い点は?
- 母乳育児の確立。
- お母さんの赤ちゃんに対する愛着が増し、母子間の絆が深まる。
- 赤ちゃんへの感染症を予防する。
- 赤ちゃんとの生活に慣れ、退院後の家庭での育児生活をスムーズに行える。 など…
出生直後の早期接触・早期授乳の支援について
赤ちゃんの出生後、直ぐにお母さんの胸の上に直接抱かせ肌と肌を密着させて、リラックスした中で一緒にいられる時間を提供し
(skin to skin contact:STS)、赤ちゃんがおっぱいを欲しがった時
(生後30分以内)に授乳ができるように支援することを、WHO/UNICEFは推奨しています
(10か条の第4条)。
当院では、正常出生新生児で医学的に特に問題を認めない場合、これを実践しております。
帝王切開の場合も同様の条件を満たした場合に、正常分娩と同じように
手術室でSTSを実施しています。
STSの良い点は?
- 出生後直ぐに触れ合うことで赤ちゃんとの間に愛着がうまれ、お母さんの気持ちが安定します。
- 赤ちゃんの低体温・低血糖を予防します。
- お母さんの常在菌が赤ちゃんの腸に定着し、病原菌による感染症予防につながります。
- 母乳育児の確立を促します。
- 初乳を摂取することで、早い時期から免疫力が高まります。
- おっぱいを吸う刺激は子宮収縮を促し、胎盤排出を早め、産後の出血を少なくします。